「プレイングカードがのちにタロットへ… 最初は大アルカナは無かった!?」
最近の研究によると、タロットの起源は15世紀の北イタリアあたり。
最初はトランプの原型にあたるゲーム用カードで、22枚の「大アルカナ」は無かったようです。
ゲームの“切り札”として、後から追加されたと思われる「大アルカナ」。
そのミステリアスな絵柄の起源は、イタリアで当時非常に人気があった 「トライアンフの行列」 をもとに作成されたとされています。
「トライアンフの行列」とは祝祭に行われる行列のことで、その行列には仮装した人や装飾をした凱旋車が出ていました。その仮装の主なモチーフになっていたのが、14世紀の詩人フランチェスコ・ペトラルカの歌集「トリオンフィ」です。
「トリオンフィ」は15世紀のイタリアで広く読まれていた歌集です。
全部で六部あり、「愛」・「純潔」・「死」・「名声」・「時」・「永遠」の順で、後のものが前のものを打ち倒して凱旋するというもの。
この「トリオンフィ」の図版には、大アルカナのモチーフになったと思われる図像が見つけられるということです。
大アルカナを作成した人物は不明ですが、
「トライアンフの行列」そして「トリオンフィ」から、新たな切り札(大アルカナ)のアイデアを思いついたのではないか、と考えられているのです。
出来上がった当時のタロット・カードは、占いには使われておらず、ゲーム用のカードとして使用されていたようです。
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■最終更新日:2014年3月8日 ■参考図書:タロット大全 ─ 歴史から図像まで(伊泉 龍一)